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ニュースリリース
2025年4月9日
BSIグループジャパン株式会社(所在地:横浜市西区みなとみらい、代表取締役社長:漆原 将樹、以下「BSIジャパン」)は、株式会社大気社(本社:東京都新宿区西新宿、代表取締役社長:長田 雅士、以下「大気社」)に対し、塗装システム事業において、日本で初(※1)となる、ISO 19650-1(※2)およびISO 19650-2(※2)に基づく「設計と建設のための情報マネジメントに関するBIM BSI Kitemark(カイトマーク)」を2025年3月4日に認証しました。
ISO 19650 - ビルディングインフォメーションモデリング(BIM)による情報マネジメントとは
BIM(Building Information Modeling:ビルディング インフォメーション モデリング)は、デジタルモデリングを使用して、初期設計から建設、保守、最終的に廃棄に至るまで、建設資産のライフサイクル全体にわたる情報マネジメントです。3次元モデルを含む共通データ環境において、エンジニアや所有者、建築家、請負業者間とのコラボレーションを可能にし、効率的な情報共有ができます。ISO 19650は、BIMを使用して建設された資産のライフサイクル全体にわたって情報管理を行うための国際規格です。BIMレベル2(※3)と同様の原則と高レベルの要件がすべて含まれ、本要件を満たしていることを証明することは、成熟したBIMの導入を示します。
国土交通省においても、建築物のLCA(ライフ・サイクル・アセスメント)実施によるLCCO2削減の推進(GX)と建築BIMの普及拡大による生産性向上の推進(DX)を一体的・総合的に支援し、取り組みを加速化させることを目的として、「建築GX・DX推進事業」を促進しています。
建築確認申請においては、2025年4月には改正建築物省エネ法と改正建築基準法の全面施行、25年度から「電子申請受付システム」の供用開始、確認申請オンライン化促進、指定確認検査機関や特定行政庁がBIMデータの提出の審査環境を整える意向であり、26年春にはBIMで作成した図面データで建築確認を受け付ける「BIM図面審査」、29年春にはBIMデータで建築確認を審査する「BIMデータ審査」を開始する予定です。日本においても、BIM環境が整いつつあり、企業の環境負荷を定量化し可視化が進んでいます。それに伴い、BIMの情報マネジメントの重要性も一層高まっています。
BSIジャパンでは、BSI Kitemark認証および検証サービスを通じて、お客様のBIM成熟度を証明するサービスを展開しています。今回、大気社が取得したBIM BSI Kitemarkの認証は、元受け受託組織として、塗装設備の設計の為の BSI BIM Design & Construction Kitemark認証となります。
BSIジャパンのwebサイト 「ISO 19650 - ビルディングインフォメーションモデリング(BIM)による情報マネジメント」の詳細はこちら
- 注記 -
※1:2025年3月現在(当社調べによる)
※2:ISO 19650は、建築及び土木工事に関する情報の統合及びデジタル化、BIMを使用した情報マネジメントに関する国際規格です。
ISO 19650-1:2018は、BIMを使用した情報マネジメント:概念及び原則
ISO 19650-2:2018は、BIMを使用した情報マネジメント:資産のデリバリーフェーズ
ISO 19650-3:2020は、BIMを使用した情報マネジメント:資産の運用フェーズ
ISO 19650-5:2020は、BIMを使用した情報マネジメント:情報マネジメントへのセキュリティを意識したアプローチ
※3:英国政府は2016年4月以降、建物やインフラストラクチャーを含む中央調達政府プロジェクトに入札する建設サプライヤーに対して、BIMレベル2で作業することを要求しています。英国ではBIMの成熟度によって、レベル0からレベル3まで設定されています。
大気社のコメント
― 認証取得の目的
今回は塗装システム事業のプロジェクトで、設計と建設の為のBSI BIM Design & Construction Kitemark認証を取得いたしました。弊社の塗装システム事業は、最高位の塗装品質が求められる自動車業界で50年以上の実績があります。前処理・電着・ブース・オーブンといったプロセス事業だけでなく、塗装・検査・研磨における自動化技術、製品を運ぶ搬送技術、排気処理、排水処理などの環境技術を含めたフルターンキーサプライヤーとして、グローバルに事業を展開し、国内第1位、世界第2位のシェアを有しています。グローバル事業展開を特色とした当該事業部では、2023年度より、先進的なIoT、BIMをはじめとしたデジタル技術を取り入れることで、グローバル連携とワークシェアリングを進め、業務効率化・品質向上・競争力強化を図ってまいりました。そして、この取り組みを通して、自社内だけでなく世界中の発注者、設計者、協力会社との協働によりプロジェクト管理の合理化・効率化に取り組むことが、持続的なプロジェクト遂行実現において重要との認識に至りました。こうした背景から、今回、BIMにおいて重要な情報管理マネジメントを、外部ステークホルダーも含めて確立するうえで有用なISO 19650-1およびISO 19650-2に基づくBIM BSI Kitemark(カイトマーク)の取得に踏み切りました。
― 構築による成果、工夫、苦労した点
EIRやArchive機能の設定など、従来の日本の建設業界ではあまり事例がなく、汎用的に整備が進んでいないものもあったため、社内での情報フローの再整備の必要がありました。また、情報コンテナの識別のためのIDについては認証取得前から塗装システム事業部ですでに活用が進んでいたものを使用したことで、実業務に活用できる形での整備ができた、と考えています。
― 認証機関にBSIを選んでいただいた理由、また審査の感想
日本国内において、既にISO 19650の認証取得をしている企業のほとんどがBSIジャパン様を通じて認証を取得されている実績があり、また世界的にも認証実績が多かったため、選定いたしました。
― 構築・認証で良かった点
今後、国内外の建設業界で活用が進んでいくと思われるACC(Autodesk Construction Cloud)環境における、グローバル基準での、各社との安全かつ円滑な情報共有・情報利活用の基礎固めができたと考えています。また、ISO 19650の規格に則ったACC環境を活用した情報整理により、情報コンテナ(生成した情報)の社外/社内での承認・未承認の区別や、レビュー(修正)回数の判別が明確でミスが起こりにくい形になることも認証取得をするメリットだと考えています。
大気社について
空調設備工事大手であり、「ビル空調設備」「産業空調設備」「塗装システム」の3つの事業分野を持ち、19の国と地域に28の連結子会社を展開、海外売上比率は約5割で建設業においては極めて高い。塗装システム事業は、排気処理や気流制御など、空調設備事業で培ったコア技術をベースに発展してきた「自動車塗装プラント」において世界トップクラスのシェア(国内第1位、世界第2位)を有し、最高位の塗装品質が求められる自動車業界で50年以上の実績がある。前処理・電着・ブース・オーブンといったプロセス事業だけでなく、塗装・検査・研磨における自動化技術、製品を運ぶ搬送技術、排気処理、排水処理などの環境技術を含めたフルターンキーサプライヤーとして、グローバルに事業の拡大・推進を進めている。
URL:https://www.taikisha.co.jp/
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