調査レポート

「第2のガラスの天井」
の解消に向けて

「第2のガラスの天井」
の解消に向けて

女性が早期に離職してしまう要因を明らかにし解決策を見出すことで、個人・組織そして社会に利益をもたらす方法を探る

女性が早期に離職してしまう要因を明らかにし解決策を見出すことで、個人・組織そして社会に利益をもたらす方法を探る

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「第2のガラスの天井」の解消に向けて
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レポートについて

私たちの世界はここ数十年で大きな進歩を遂げています。その中で女性が果たしている役割は決して小さくはないことを疑う人はいないでしょう。しかしその一方で、世界的なパンデミックによって、ありとあらゆる場所でこれまでの労働慣行が混乱し、その後遺症は今も根強く残っています。女性はこの影響を強く受けており、一部の国では女性の離職が拡大傾向にあります。

女性が早期に離職してしまう理由を探り、私たちが「第2 のガラスの天井」と呼んでいる、女性が早期に離職せざるを得ない状況を生み出しているものを明らかにし、そして女性が働き続けることで個人、組織、社会全体に与える影響について議論を始めるために、BSIは本レポートを作成しました。

レポートサマリー

調査から見えた各国の現状をまとめた「Market Overview」はこちらからご覧いただけます。なお、「Market Overview」は英語版でのご案内となります。

調査からみえてきた日本の現状

レポートの作成にあたり、日本・イギリス・オーストラリア・アメリカ・中国の、自身を女性と認識している人たち約5000名を対象にアンケートを実施しました。回答結果から、日本の女性が抱えている困難や課題について、他国の回答と比較してまとめました。

  • 日本における女性の就業環境にはさらなる改善が必要

調査対象となった日本女性の中で、自分たちの世代は「男性同僚と同じくらい長く働き続けるための柔軟性とサポートを受けられる」と前向きに捉えているのは半数以下(44%)でした。この数字は調査対象となった5か国の中で最低で、5か国の平均は59%です。また4割強(42%)が、「女性が管理職に就くことは珍しい」と答えており、こちらは5か国の平均と同等です。

  • ロールモデルが重要とされる

日本人女性の10人中6人以上(62%)は、「豊富な知識や経験を持つ女性社員の存在が職場の若い女性の成長に有益」だと回答しています。この比率は、調査対象の5か国の平均73%を下回っています。

  • 女性が直面する働き続けることへの障壁

日本人女性の4分の1強(26%)は、仕事を続けることへの障壁として、「子育てや介護」を挙げています(5か国平均の29%をわずかに下回る)。仕事を続けることに何の障壁もないと答えたのは、日本人女性のわずか8%に過ぎません(5か国平均は10%)。 また、5人に1人(19%)が「更年期などの健康問題やウェルビーイング(幸福度)への配慮」を障壁として挙げています(5か国平均の21%をわずかに下回る)。

  • 更年期、生理に関連する健康問題、妊娠障害、流産について話し合うことへのためらい

日本女性の半数以上(55%)が、雇用主へ女性特有の健康問題を相談することに抵抗があると答えています(5か国平均の58%をやや下回る)。 女性特有の健康問題を相談することへの抵抗は、上司の性別によって顕著な差があり、日本では65%(5か国平均は52%)が男性上司に相談することに気まずさを感じ、女性の上司の場合は34%(5か国平均は18%)です。

  • 公式な方針が役立つ

日本では女性の半数以上(55%)が、更年期、生理に関連する健康問題、妊娠障害、流産といった、個人の健康やウェルビーイングの問題に対処するための組織としての公式な方針があれば有益だと答えていますが、その一方で、組織内にそうした方針があることを知っていると答えたのは、わずか5%に過ぎませんでした。

 

より良い組織づくりに関するトピック