PAS 99 統合マネジメントシステム

PAS 99は、組織が既存のマネジメントシステムをひとつの構造に統合するためのフレームワークを示した、ビジネス上の目標を効果的、効率的に達成するための指針です。

現在、多くの組織が、ISO 9001(品質)、ISO 14001(環境)、OHSAS 18001(労働安全衛生)、ISO 27001(情報セキュリティ)などの各種マネジメントシステムの認証を取得しています。また食品安全、ITサービス、事業継続マネジメントなどの新しいマネジメントシステム規格も次々と発行されています。

しかし、規格を活用する組織の側にとっては、複数の規格を運用することで、重複作業の発生による過剰な運用維持コストやシステム間の矛盾による組織の混乱という問題も出てきています。

このような背景から統合マネジメントシステム(IMS:Integrated Management System)への注目が高まり、その中から規格として開発されたのが、唯一の統合マネジメントシステム規格であるPAS 99なのです。



PAS 99 とは

PAS 99は、BSIが開発した世界初で唯一の統合マネジメントシステムの要求事項の仕様です。PASは「publicly available specification(一般に利用可能な仕様)」を意味します。

PAS 99では、ISO 9001(品質)、ISO 14001(環境)、OHSAS 18001(労働安全衛生)、ISO 27001(情報セキュリティ)、ISO 22000 (食品安全)、ISO 20000(ITサービス)などのマネジメントシステム規格や仕様に共通する要求事項をまとめています。

共通の要求事項として、ISOガイド72で挙げられている、

  1. 方針
  2. 計画
  3. 実施及び運用
  4. パフォーマンス評価
  5. 改善
  6. マネジメントレビュー

の、6つの要求事項を、 PDCAのフレームワークに当てはめています。

そして、コアとなる部分(=共通部分)をひとつに統合し、それぞれのマネジメントシステムがひとつの経営マネジメントシステムの一部を構成するという考え方を示しています。


統合審査サービス

各マネジメントシステムを個別に審査するのではなく、統合審査サービスを実施することで、時間と資金の節約になるだけではなく、経営としてのマネジメントシステムがより効果的なものになります。

BSIでは統合審査サービスを、お客様の状況に応じ、「統合審査」と「合同審査」に分類しています。

  • 統合審査

    統合審査とは、組織のマネジメントシステムが統合されており、BSIの審査チームも統合されている審査を指します。つまり複数の審査資格を持つ審査員が一度に審査を行う形です。
    組織の希望に応じて、BSIでは、統合審査に加えて、PAS 99の審査とPAS 99の認証書の発行も行うことができます。
  • 合同審査

    合同審査では、複数の審査員が審査チームを組み、審査項目の中で共通化できる部分を共同で確認しながら審査を進めていきます。

PAS 99 の対象

下記のマネジメントシステムが、統合マネジメントシステムの対象となります。

  • ISO 9001(品質マネジメントシステム)
  • ISO 14001(環境マネジメントシステム)
  • ISO/IEC 27001(情報セキュリティマネジメントシステム)
  • OHSAS 18001(労働安全衛生マネジメントシステム)
  • ISO 22000(食品安全マネジメントシステム)
  • ISO/IEC 20000(IT サービスマネジメントシステム)

統合マネジメントシステムのメリット

複数のマネジメントシステムをひとつに統合することによって、組織は次のような効果を得ることができます。

  1. 戦略的なメリット
    それぞれのマネジメントシステムがひとつの経営マネジメントシステムの一部となることにより、組織の向かう方向に目標や計画を整合させながら組織全体の経営計画にリンクさせることができます。

  2. マネジメント上のメリット
    品質、環境、情報セキュリティなどが独立した「個別の領域」となってしまうことを避け、これらを組織全体のマネジメントの一部とすることができます。

  3. 経費削減のメリット
    監査や文書管理などの重複を避けてコストを削減できます。

  4. 業務上のメリット
    各業務が品質や環境など、それぞれの側面に与える影響を配慮することができます。

  5. 運用上のメリット
    責任の範囲が明確になり、各マネジメントシステム間の対立を回避できます。