事例紹介:ISO 20121認証 株式会社昭栄美術様

Shoei

2020年に行われた認証授与式において

写真左より、BSIグループジャパン株式会社 代表取締役社長 根本 英雄

株式会社昭栄美術 専務取締役 羽山 寛幸様

 

BSIグループジャパンは、株式会社昭栄美術様(東京都中央区)へISO 20121(イベントサステナビリティ)認証を2020年より行っています。

ISO 20121は、BSIが開発に関わったBS 8901に基づき策定が進められました。BS 8901は、2012年に開催されたロンドンオリンピックを行う上で、環境・社会・経済のバランスが取れた大会として運営するために2007年に策定された規格です。
2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピックは、スクラップ&ビルドではない「持続可能性(サステナビリティ)」を目指す大会として運営され、史上最も環境に優しい大会として高い評価を得ました。その大会を支えたのが、持続可能なイベント運営のためのマネジメントシステム規格であるISO 20121です。

昭栄美術様では、環境・社会、サステナビリティに配慮した展示会・イベントを行っており、“世の中への社会貢献”を実現する企業を目指すため、今回ISO 20121を認証取得されました。「制作(製作)・施工」を行う会社としては日本で初めての認証組織になります。

SDGs(持続可能な開発目標)やエシカル消費(人や社会、地球環境に配慮した倫理的に正しい消費を行う)に関わる取り組み等、様々な活動を実施されている昭栄美術様から、ISO 20121運用方法や工夫等を皆様と共有させていただきたく、専務取締役 羽山 寛幸様とのインタビューの場を設けさせていただきました。


まず貴社についてご紹介をお願いできますでしょうか? 

株式会社昭栄美術は、ディスプレイ業界における展示会・イベントの企画・設計・制作・施工・運営を製販一体で行い、お客様のビジネスコミュニケーションにおける本質的な課題解決に必要なサービスを提供する会社です。

私たち昭栄美術は、仕事を通じて“働く社員の成長”と“世の中への社会貢献”を実現する企業を目指しています。仕事を人間成長の場と捉え、一人ひとりが自分自身を磨き続けること、その結果として、より付加価値の高いサービスをお客様に届けることができ、企業として社会をより良い方向に進めることができると思っております。

従来の強みである製販一体体制に加え、新制作拠点「SHOEIベイスタジオ」によるサービスの拡充、そして人と向き合い人を育て合う環境・文化の醸成を通じて人財面でのさらなる充実をはかっていくことで、多くのお客様から信頼されるパートナーとなり、豊かな社会づくりに貢献できる組織を目指しております。

 

なぜ、今回ISO 20121認証取得を決めたのでしょうか? 

弊社では、3R(Reduceリデュース、Reuseリユース、Recycleリサイクル)に取り組むなど、従来から環境や社会に配慮した展示会・イベントの企画・施工に取り組んでいます。

ISO 20121は、イベント運営における環境影響の管理に加えて、その経済的、社会的影響についても管理することで、イベント産業の持続可能性(サステナビリティ)をサポートするためのマネジメントシステムであり、弊社のお客様からの環境・社会、持続可能性に配慮した展示会・イベントを行いたいというニーズにお応えすること、またパートナー・ステークホルダーとともに“世の中への社会貢献”の実現を目指してくため、ISO20121認証を取得することにいたしました。

Shoei

専務取締役 羽山 寛幸様

 

ISO 20121構築の際に、工夫、苦労した点はございますか?

構築に関しては既にISO 9001を取得しており、品質管理に取り組んでいる基盤ができていたため、特に大きな苦労をする点はなく、ISO 20121のシステムを構築することができました。

世間一般にISO 20121の事例が少なく知名度がまだ高くないことが課題の一つだと認識しております。

弊社では2021年4月に内覧会を開催し、お客様、パートナー企業様、同業他社様もお招きしてISO 20121の紹介や弊社のSDGsの取り組みをご覧いただきました。こういった内覧会やイベント等を通じて、多くの方にISO 20121の取り組みを知っていただくことが今後の課題だと思っております。

 

ISO 20121認証取得に関する成果はございますか?

弊社は製販一体が強みですので、企画の段階から施工・運営・撤去までイベントのすべての工程で持続可能性を意識した取り組みが可能でしたが、今回ISO 20121認証までの過程を通じて弊社の強みを再確認でき、持続可能性に関する課題も見つけることができたことが大きな成果になりました。

以前からSDGsを意識した取り組みは実施していましたが、ISO 20121を認証取得したことで会社の理想的な存在意義や、より有効な社会貢献等を明確にすることができました。

会社として発展していくための方向性を明確化できたため、利害関係者に明確な方向性を示すことができただけでなく、社内でも社員のモチベーションアップにつながっています。

社内からは様々な改善提案が出されており、各々の部署・立場でできることを考えて「どうしたらもっと良くなるか?」を自発的に考える社員が増えたと実感しております。

 

BSI を審査機関としてお選びいただいた理由と、審査の印象をお聞かせください。 

Shoei

元々信頼のおける認証機関にお願いしたいという思いがありましたので、BSI殿の国家規格協会として長い歴史や世界各国での実績を拝見し、質の高い審査が受審できると確信したのがお願いした理由です。

営業担当者様からもISO 20121の有効性を丁寧にご説明いただき、色々とサポートしていただいたこともBSI殿を選んだ理由の一つです。

 

今後の展開と目標をお聞かせください。

SDGsの注目度が高まってきており、お客様にもSDGsや持続可能性について問われる機会が多々あります。環境に配慮したブースで出展していることやSDGsを考慮した施工会社であることは、お客様にとっても昭栄美術にとっても新たなセールスポイントに繋がると思っております。

まずはISO 20121の仕組みを社内に浸透させ、企画・運営、デザインの段階からSDGsや持続可能性を考慮し、いずれは新しいサービスを提案していきたいと考えています。

また、SDGsに取り組むことは、展示会・イベント業界全体を持続させることにもつながるため、業界一丸となって取り組む必要があると思っております。展示会・イベント業界の企業の代表として、これからも率先して持続可能な社会の実現に向けて取り組んでいきます。

 

本日は誠にありがとうございました。

 


■株式会社昭栄美術様に関して

今回インタビューにご協力頂きました株式会社昭栄美術様の詳細情報に関しては、下記のリンク先よりご参照頂けます。昭栄美術様の会社概要、サービス、SDGsに対する取り組み等がご紹介されています。
是非ご覧ください。

URL:https://www.shoei-bijutsu.co.jp/