ISO 20121
持続可能なイベント運営

ISO 20121は、イベント運営における環境影響の管理に加えて、その経済的、社会的影響についても管理することで、イベント産業の持続可能性(サステナビリティ)をサポートするためのマネジメントシステムです。



ISO 20121 とは

ISO 20121は、BSIが開発に関わったBS 8901に基づき策定が進められました。BS 8901は、2012年に開催されたロンドンオリンピックを行う上で、環境・社会・経済のバランスが取れた大会として運営するために2007年に策定された規格です。

2012年に開催されたロンドンオリンピック・パラリンピックは、スクラップ&ビルドではない「持続可能性(サステナビリティ)」を目指す大会として運営され、史上最も環境に優しい大会として高い評価を得ました。その大会を支えたのが、持続可能なイベント運営のためのマネジメントシステム規格であるISO 20121です。このロンドンでの大会の結果を受け、東京オリンピック・パラリンピックでもISO 20121の採用が確実なものとなり、国内においてもISO 20121への関心がますます高くなってきています。

地球環境や社会問題に対する意識高まりから、全ての産業において、仕事を通した環境及び社会問題への取組みが広がっています。イベント産業もその例外ではありません。

ISO 20121は、イベント運営における環境影響の管理に加えて、その経済的、社会的影響についても管理することで、イベント産業の持続可能性(サステナビリティ)をサポートするためのマネジメントシステムです。

イベント・サステナビリティマネジメントシステム規格ISO 20121は、オリンピックのような国際イベントから地方のお祭りまで、あらゆるタイプのイベントに適用が可能です。また、イベントに関わるすべてのステークホルダー(利害関係者)によって活用されるマネジメントシステムです。イベントの主催者はもちろんのこと、イベント会場(ホテル、会議場、競技場など)、イベントに関わる施工業者、サプライヤーにとってもこの規格を活用するメリットがあります。

ISO 20121は環境マネジメントシステム(ISO 14001)などと同様、PDCAサイクルのフレームワークを備えており、ISO 20121と他のマネジメントシステムを、容易に統合することが可能です。


ISO 20121 の対象

ISO 20121の認証の対象には、大きく分けてふたつあります。

ひとつは、イベント企画会社などに代表されるような、ISO 20121に適合したサステナビリティマネジメントシステムを実施する組織に対する認証です。

もうひとつは、ロンドンオリンピックといった、ISO 20121に適合したイベントそのものの設計、計画に対する認証です。

図1: ISO 20121 認証事例

イベント・組織 形態
Good Wood イベント(スポーツ) イギリス
2012世界トライアスロンシリーズ横浜大会 イベント(スポーツ) 日本
2013中台湾ランタンフェスティバル イベント(フェスティバル) 台湾
Sydney Festival イベント(フェスティバル) オーストラリア
Way Out West イベント(音楽) スウェーデン
Rock in Rio 2013 イベント(音楽) ブラジル
Danish Ministry for the Foreign Affairs 主催者 デンマーク
Manchester United 主催者 イギリス
UBM Live 主催者 オランダ
The Coca Cola Company 主催者(スポンサー) イギリス
日本コンベンションサービス株式会社 制作者 日本
Gris Co. 制作者 イタリア
Ryan Cleaning 制作者 イギリス
Weymouth and Portland National Sailing Academy 施設(会場) イギリス
Millennium Stadium 施設(スタジアム) イギリス
Plaza Athénée Bangkok 施設(ホテル) タイ
Marina Bay Sands 施設(会場) シンガポール

ISO 20121 のメリット

ISO 20121を使用して、イベントの持続可能性を向上させると、次のような利点が得られます。

  1. イベントのブランド価値向上
    イベントで環境及び社会性を考慮した取り組みに対して、社会・顧客から、真の信用を得ることができ、組織やイベントのブランドイメージの向上が期待でき、競争優位を築くこともできます。ISO 20121は、1回のイベントでも取得できるため、活用の幅が広い規格になっています。

  2. 関連機関との関係がスムーズに
    第三者機関から認証受けることにより、透明性と説明責任を確保することができ、ステークホルダーやイベント会場、隣接する地域の自治体と、より良い関係を築くことに貢献します。

  3. 経営ツールとして活用
    ISO 20121のイベントに関するマネジメントシステムを活用し、これまで蓄積してきたノウハウを体系化して、経営ツールとして活用することが可能です。また、サプライヤーやステークホルダーとの関係を明確にする上でも活用できます。