弊社はグローバルに展開し、各国向けの医療機器を開発・製造・販売している会社です。

コンプライアンス・ナビゲーターを使用している私たちの部署では、グローバル各国での許認可取得と維持、法規制情報の入手と展開、技術規格動向の入手と展開などを主に担当しています。

グローバル展開しており対象国も多いため、情報入手から展開までは、工数も時間もかかり非常に大変なところです。主要な国であれば言語は英語のみで済むところもありますが、中華圏やアジアなどは正式な文書は現地の言語になるところもあるため、正確な情報が掴みづらいという課題もあります。そのような中で、規制については、各国の規制当局のサイトにアクセスして調べたり、現地の販売拠点から情報収集したりといった、人海戦術による地道な活動をしています。

今回コンプライアンス・ナビゲーターに関心を持ったのは、どちらかというと規格に関する情報収集と展開に役立つのではと考えたからです。規格の解説や改訂状況を見ることができるため、色々な取り組みに合わせて規格を読み込むツールとして活用できるのでは思い、導入を検討しました。

コンプライアンス・ナビゲーターを実際に使ってみて、医療機器向けの規格だけでなく幅広い規格を収録しているところに魅力を感じました。例えば具体例を挙げると、EMCに関する規格です。医療機器に関してはIEC 60601-1-2がEMCの規格としてありますが、色々と関連するEMC規格を参照する必要があるため、細かい内容を確認するためには個別のEMC規格を閲覧する必要があります。通常、医療機器関連規格に限定してツールやサービスを利用しようとすると、こういった参照規格は閲覧できないことが多いのですが、コンプライアンス・ナビゲーターではIEC 61000シリーズの参照規格も一緒に閲覧することができ、非常に便利だと思います。

また、主要な規格についてはエキスパートコメント（専門家による解説）が掲載されていて、規格を解釈するのに役立ちました。例えば最近では、ISO 14971が2019年12月に改訂されましたが、すぐにエキスパートコメントが掲載されたので、まずはこの解説を読んで概要を理解してから、規格の本文を読み込んでいくということができました。併せて、これもすべての規格ではないものの、主要な規格に対しては新旧の比較（Track Changes）という機能があります。新しい規格について、旧版と比べてどこが変わったか、削除・追加されたかが簡単に閲覧できて、規格の変更箇所を把握するのに役立ちました。

他にも、参照している規格の改訂動向がすぐに確認できるというのも良いところだと思います。例えば先ほどのISO 14971は12月に改訂されましたが、コンプライアンス・ナビゲーター上ではその前から、（規格ページの通知欄で）現在、改訂の作業が進んでいるといったステータスが確認できるようになっていました。しかも自分が閲覧したい規格のページを開くだけで、余分な操作やクリックなどをしなくても、すぐに改訂の動きがあることがわかるのが、大変便利だと思いました。

今後は規制・規格の対象国が広がると弊社としては助かります。将来的にアジア圏も含めた各国の情報をコンプライアンス・ナビゲーターで閲覧できれば、弊社のビジネスにとってさらに役立つツールになると期待しています。