平素より当社をご愛顧頂きまして誠にありがとうございます。
上記のEuropean Commission Recommendation(2013/473/EU)の規定に基づき、ノーティファイドボディーの役割と責任が変更されることをお知らせします。
European Commission は2013年9月24日付でEuropean Commission Recommendation(2013/473/EU)を発出しました。このRecommendationは、PIP問題(フランスのポリ・アンプラン・プロテーズ社が破裂する恐れの高い豊胸バッグを製造・販売し、世界規模で健康不安をもたらした問題)による遡及活動後の取り組みの一環として、医療機器分野におけるノーティファイドボディーが実施すべき審査を定めています。
今回の変更は、ノーティファイドボディーであるBSIのみならず、EUに医療機器を出荷しているリーガルマニュファクチャラーである組織に対しても影響があります。
Unannounced Audits(非通知審査)について
2013/473/EUの項目(5)の最後の文で次のように記載されています。
「法的義務とともに継続的な法遵守を検証するため、ノーティファイドボディーは製品評価及び品質システム評価に加えて、Unannounced Auditsを実施しなければならない。」
全てのノーティファイドボディーはこの要求事項を遵守しなければなりません。 European Commission Recommendation(2013/473/EU)の附属書IIIには、Unannounced Auditsに関する要求事項を含む詳細な内容が記載されています。附属書 III に従ったUnannounced Auditsは、ノーティファイドボディーが行う現行の適合性審査に追加されます。
本European Commission Recommendationは、「Unannounced Auditsは予測できるものではなく、また事前通知することもない」と述べています。すなわち、Unannounced Auditsの目的を達成させるために、BSIのノーティファイドボディー審査員は、Unannounced Auditsの前に貴社へ連絡を差し上げることなく、直接貴社の事業所に出向かせていただきます。その際、審査にご協力いただく義務がございますのでご了承ください。
また、今回の附属書 III に従ったUnannounced Auditsにより、ノーティファイドボディーは、必要に応じて、貴社のCritical Subcontractors(重要な下請業者)やCrucial Suppliers(重大な供給業者)への訪問を要求する場合があります。この訪問はこれらの供給業者と貴社の契約事項に含まれる必要がございますのでご留意ください。
お客様への影響について
Unannounced Auditsについては、3つの現行の医療機器指令、すなわち、医療機器指令(93/42/EEC)、能動医療機器指令(90/385/EEC)、及び、体外診断用医薬品指令(98/79/EC)において従前より規定されていました。今回の変更は、Unannounced auditsが法規制上に既に存在する上記3つの医療機器指令のCE認証書を保持されているマニュファクチャラーに適用されることを明確に示しています。 そして、BSIのStandard Terms & Conditionsにおいても、Unannounced Auditsを実施する可能性について以前から触れています(この規定はBSI Terms of Service の4.3項に述べられています)。
マニュファクチャラーは少なくとも3年に1回の頻度でUnannounced Auditsを受審いただくことになります。認証対象製品のリスクに応じてその頻度が異なり、ハイリスクの医療機器であるほど審査頻度は高くなります。
BSIは全てのCE認証されたマニュファクチャラー、そして、(適用される場合)Critical Subcontractors及びCrucial SuppliersにUnannounced Auditsの所定のプログラムを実施しなければなりません。このUnannounced Auditsの頻度については、ハイリスク製品(MDD Class III, AIMD 及び IVD List A)においては2年に1回、その他の製品については3年に1回実施されることになりますが、その時の状況や取り巻く環境に応じて、より頻繁に審査を実施することになるかもしれません。
この度のEuropean Commission Recommendationを受け、当社では確実に対応していくために、改めて関連する詳細な手順書の見直しを実施しております。そして、お客様におかれましても、同様に準備を実施されることを強くお勧めいたします。
BSIはノーティファイドボディーとして、本European Commission Recommendationに対応したUnannounced Audits を実施させていただきます。この審査にかかる費用については、お客様にご請求させていただくことになります。お客様におかれましては、認証維持に関連するご予算計画において、当該費用を考慮に入れていただきますようお願いいたします。当社は、現在関連する価格体系の決定に向けて最終的な検討を行っております。決定次第、お客様にはご案内をさせていただきます。また同時に、Standard Terms and Conditionを改訂しております。こちらも準備が整いましたらご案内させていただきます。
変更実施時期について
BSIの上位行政当局であるMHRAは、BSIを含む全てのノーティファイドボディーが2014年の上半期にUnannounced Auditプログラムをマニュファクチャラーに通知することを義務付けています。
お客様社内での展開方法について
本件に関してお客様社内で情報共有されるにあたっては、ぜひ本ご案内のレターを回覧してご利用いただければと存じます。このレターは、経営者や関連する責任者様がこのRecommendationの要求事項をご認識いただくことを確実にするため、そして、貴社の医療機器が継続して法遵守を確実にしていただくことを目的に提供しています。
お客様に新たに発生する義務について
全ての対象組織はUnannounced Auditsのために来訪したノーティファイドボディーの審査員に対して訪問を許可しなければなりません。このことは法的要求事項であり、貴社のCE認証を維持するためです。これらなしに欧州市場へ製品を出荷することは違法となります。
また、BSIの通常の定期審査も、Unannounced Auditsに関する側面を含むことになります。例えば、私たちは、Unannounced Auditsに関する要求事項を貴社が認識されていることを確認し、Unannounced Auditsに対する対応手順をレビューすることになります。従いまして、貴社サイト、または貴社のCritical Subcontractors及びCrucial Suppliersのサイトに、場所や時間帯に関わらず、ノーティファイドボディーの審査チームが監査のために訪問しうるということについて、すべての社員様が、認識され、対応できるように、ご準備ください。
BSIからの今後の情報配信について
当社は社内プロセス及び手順書を整えましたら、お客様に向けてさらなる最新情報をお知らせします。加えて、本European Commission Recommendationの規定のもとでの要求事項、および、ノーティファイドボディーの役割について、お客様が完全に理解されていることを確実にするために、所定の窓口担当者様との密な連携を継続していきます。
現時点でお知らせできることとしまして、お客様(Critical Subcontractors、Crucial Suppliersを含みます)ごとの「Unannounced Audit」プログラムを設定するため、順次、担当スキームマネージャーより当社所定の様式をお送りします。お手元に届きましたら、お手数ですが全ての該当する項目にご記入頂き、担当スキームマネージャーへ返送をお願いいたします。
また、Unannounced Auditsの概要について、当社ウェブサイトに無料のWebinar資料(英語)を用意しております。新たに要求されました契約書の必要性、作業手順、従業員による準備計画といった重要な側面を網羅しています。
本European Commission Recommendationの下に発生するノーティファイドボディーとお客様共通の義務を果たすにあたり、ご支援を頂けますことに対し、BSIを代表して御礼申し上げます。本件についてさらなる概要やご質問がございましたら、遠慮なく担当スキームマネージャーあるいはBSIグループジャパン株式会社 医療機器認証事業本部にお知らせください。