「サイバー攻撃が事業継続における最も重大な脅威に」
BSI(英国規格協会)、BCI Horizon Scan 2015 の調査結果を報告

2015年2月27日

BSI(英国規格協会)は、BCI(事業継続協会)と共同で、事業継続に関する年次調査報告書 BCI Horizon Scan 2015 を発行しました。

今回で4回目となる BCI Horizon Scan は、世界72か国の760組織におけるビジネスにおける備えを調査するものです。
本報告書では、事業継続責任者の 82 % がサイバー攻撃を脅威ととらえ、81 % がICTの予期せぬ機能停止を、また 75 % が情報漏洩を懸念していることが報告されています。
サプライチェーンの中断に関する懸念は最も急上昇しており、2014年の16位から今回は5位まで上昇しました。回答の約半数(49%)が、サプライチェーンの複雑化の傾向を認識しており、自組織が紛争や自然災害に対して脆弱であると回答しています。

 

ビジネスにおける最も重大な脅威(2015
※「非常に深刻」もしくは「深刻」と認識されている割合で決定

BCI_Horison_scan_image

 

BSI(英国規格協会) CEO  Howard Kerrのコメント

「グローバリゼーションにより、世界における紛争、疫病、自然災害や犯罪が身近なものになりました。本年の調査結果で明らかになった、事業者が自組織のレジリエンス戦略における盲点を特定し改善するために、情報を十分に活用できていないという懸念は現実のものといえます。組織の大小にかかわらず、短期的、中長期的な脅威を捉えることで、リスクを客観的に評価し、最小化できるようになります。また、ベストプラクティスを適用することで、組織、従業員、ビジネスパートナー、そして顧客をリスクから守ることができます。」

また、事業継続に関する国際規格 ISO 22301 について、半数以上となる 52 % の組織が、事業継続マネジメントプログラムのフレームワークとしてこれを利用していることがわかりました(「2015 年中に利用を開始する予定」を含むと 69 %)。
昨年の 44 % という数字から大きく伸びており、国際規格として転換点に達したように見えます。また、アジアに限定すると 64 % とさらにその数字は大きくなり、英国の 61 % と比べても、アジアではより広く活用されていることが伺えます。

 

BCI (事業継続協会)テクニカルディレクター Lyndon Bird FBCI のコメント 

「世界は、サイバー犯罪、政治的混乱から、サプライチェーンの脆弱性や健康被害まで、様々な問題に直面しています。本報告書は、事業継続の専門家がこのようなトレンドを理解することの重要性を示唆しています。もはや、現場の担当者がすべて自分たちの手で解決できるものではありません。業界一丸となって、これらの複雑化した脅威に取り組まなければなりません」

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BCI Horizon Scan 2015 について
本報告書はBCIのウェブサイトからダウンロードすることができます。http://www.thebci.org

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BCI(事業継続協会)について 

BCI(Business Continuity Institute:事業継続協会)はレジリエンスを普及させ、人為的災害、自然災害に備える組織を支援する事を目的として1994年に英国のカバシャムにて設立された。BCIは、会員に対して所属する研究者によるガイダンスや支援を提供し、最高レベル基準と倫理を広め、認証するために、専門的研修、認定プログラムを提供する。100以上の国々において、民間、公的機関および第3セクターの組織約3,000に属する8,000以上の会員を持つ。

URL: http://www.thebci.org