事例紹介
ISO 14001:2015改定版・早期移行
株式会社パシフィックネット

▲ 左から SI推進部 情報システムグループ課長 斎藤さやか 様、常務取締役 経営企画室長 大江正巳 様

 

株式会社パシフィックネット様(東京都 代表取締役 上田満弘)は、昨年9月のISO 14001改定後、すぐにISO 14001:2015(環境マネジメントシステム)改訂版での審査を受けられ、今日のビジネスや組織体制の課題に対して素早く対応できるような体制を構築されました。

今回は、株式会社パシフィックネット 常務取締役経営企画室長の大江正巳様と、SI推進部情報システムグループ課長の斎藤さやか様の御二方に、早期移行の背景や移行に伴う準備、課題、そして早期移行の効果などについてお話を伺いました。

 

簡単に御社のご説明をお願いいたします。


弊社は、IT機器のライフサイクル・マネジメントをサービスとしております。

機器の選定・導入~運用・保守~データ消去・処分・リユースまで、その全てまたは一部を請け負うことで、法人や官公庁のIT化を支援しています。中でも、データ消去・処分・リユース分野では唯一の上場企業です。

1万社超の取引実績、上場企業全体の約4割が当社のお客様である等、多数の優良なお客様基盤を強みとしており、新たに法人向け格安通信サービスやメディア事業など、周辺事業拡大も図っております。

 

 ISO 14001: 2015に移行するにあたって、貴社の重要な課題(内部・外部の課題)をどのように認識されましたか?また、その課題を特定する上で、難しく感じた点はありましたか?


ISO 14001の視点でいうと、弊社は年間80万台以上の使用済みPC・タブレット・携帯電話等を再生しリユース品として販売、または再資源化を行っております。また、環境マネジメントでは、事業目標と環境目標を完全にリンクさせていまして、これが社内での目的共有、納得感を高めることにつながっています。

弊社ではこのような体制をすでに構築しているため、今回改めて環境マネジメントシステムを運用していくうえでの課題を洗い出すことに対して難しく感じたという事は幸いにも特にありませんでした。むしろ、今回の改定を機に、弊社環境マネジメントシステムへの対応と事業の方向性を一体化させ、作業をスムーズに進めることが出来たと思います。

 

▲ 常務取締役 経営企画室長 大江 正巳 様

 

 課題を克服する上でのリスク及び機会はどのようなものがありましたか?


まず、「リスク」についてですが、社内で作成した環境影響評価の表では、弊社から回収先にトラックで中古品等を受け取りに行く際に排出される排ガス、梱包材、電力の3つをリスクとして挙げています。一方、「機会」の方は、弊社の本業である「リユース」「リサイクル」による再利用・再資源化を実施した件数を数値目標として設定しています。

 

リーダシップに関してお聞かせ下さい。ISO 14001: 2015では、経営者がマネジメントシステムにより深く関与することが求められますが、経営者として何か新しいことに取りまれていますでしょうか?または意識の変化等はありましたか?


弊社では、現在、生産性や品質の視点のみならず、「リスク」と「環境」を重要な視点として加え、全体横断のプロジェクトとして業務プロセスの見直しを進めています。

ISO、内部統制、部門の業務改善やルール化が別々のプロジェクトとなり部分最適に陥るというケースをよく耳にしますが、弊社ではISO・内部統制・サービス品質・生産性などの重要視点を統合し、全社横断プロジェクトとして業務プロセスの課題抽出と改善実行を進めています。これは、トップマネジメントから、最少の工数で最大の効果をあげるよう指示が出された結果です。

全社横断・全体最適の視点で行うことで、漏れを防ぎ重複を最小限にして進めることができます。トップマネジメント層と関係者、間接部門と各事業部門が有機的に連携しており、統合の流れに沿う形で会社全体の改革が進められているのではないかと思います。

 

マネジメントシステムの統合、早期移行に関するご質問です。すでに御社は、ISMSとEMSの統合をされましたが、統合マネジメントシステムの運用のし易さを実感されていますか?


マネジメントシステムを統合することにより、関連する書類の量の減少や、全体的な運用の工数を削減させることが可能になりました。

統合の際は一時的に負荷がかかりましたが、一旦統合への対応をしてしまえば、その後は、認証の種別ごとに個別に対応していたのものがまとめやすくなったという効果もありました。

 

ISO 14001:2015年版への移行によって、より良い企業の体質強化へとつながる取組みが実現できましたか?また、その際、早期移行のメリットを感じることはありましたか?


前のご質問でもお答えしましたが、弊社の体質強化を行っている最中ということもあり、形式ではなく、実効性を高めていきたいと考えています。

具体的には、従業員の意識改革や、業務の見直し等の課題について、今まで個別に対応していたものを、今後はそれらをより事業特性・収益・リスクマネジメントと密接にからめながら、プロセスの見直しまでを統合的にするということです。

 

▲ SI推進部 情報システムグループ課長 斎藤 さやか 様

 

弊社の場合は、早期移行に加えて統合認証への対応も必要でしたが、環境マネジメントシステムと情報マネジメントシステム両方の視点からリスクの洗い出しやプロセスの見直しができたことは非常に有意義でした。

早期移行のメリットですが、通常3年間の移行期間がありますが、のんびり構えず、迅速に課題に取り組むことで、早期に社内課題を見つけ、また同時に新たな目標を設定出来たと思っています。

改定のタイミングが弊社の内部統制上の動きと合致していたことも良かったです。移行への対応を通して、毎年の審査への対応工数が減り、やらなければいけないこともより鮮明になりました。改定の機会をチャンスと捉えて、この改定の機会に会社の改革に取り組むのも良いのではないかと思います。

 

今後の展開と目標をお聞かせください。


弊社は、IT機器のライフサイクルマネジメントを事業ドメインとしており、5つのサービス分野(ITエコロジー、ITセキュリティ、ITファイナンス、IT通信、ITメディア)で展開しております。

それぞれのサービス分野が、高い相乗効果を発揮する事業モデルであるところも強みです。たとえば、IT機器の新規導入の際、当社では中長期レンタルと保守サービスを提供しておりますが、レンタルが終了した機器は優良な中古PC(リユース品)として再販・有効利用することができます。そして完全に使用済みとなれば資源化する循環が完成しています。また、処分時には「セキュリティ」確保が必須ですが、当社では機器のデータ完全消去を行ったうえで、再生しリユースPC・モバイルとして有効利用します。

環境マネジメントシステムの改定版では、「ライフサイクルマネジメント」について明記されていますが、まさに弊社の方向性と合致しており、今回の規格改訂の流れを上手く利用して、弊社各事業とのシナジーを生み出すことができると考えています。

 

本日は誠にありがとうございました

 

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株式会社パシフィックネット様に関して

今回インタビューにご協力頂きました株式会社パシフィックネット様の詳細情報に関しては、下記のリンク先よりご参照頂けます。

URL:http://www.prins.co.jp/

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