ISO 10002
顧客満足マネジメント

ISO 10002は顧客満足に関する国際規格であり、顧客満足マネジメントシステム導入に関する指針を示すものです。顧客からの苦情について、顧客重視、消費者保護の観点から組織がその苦情に適切かつ迅速に対応する方法についての把握、管理、理解を支援する目的で制定されたものです。




ISO 10002 とは

一般に新規の顧客を獲得するためには、既存顧客を維持していく場合に比較して約5倍のコストがかかると言われています。(1:5の法則)

したがって一度、顧客離れが起こってしまった組織では、失墜した信用を取り戻すために膨大な時間と労力を費やさなくてはなりません。

今日のような競争の激しいビジネス環境では、製品やサービスの革新に伴い、顧客の満足レベルそのものも日々変化していきます。組織として顧客満足の観点から苦情に代表される「お客様の声」に対し、系統だった対応プロセスを作り、手順に従って適切にクレームを解決することができれば、組織の評価と顧客満足度の双方を高めていくことができます。

苦情を顧客からの貴重な声と捉え、得られた情報を活かし、自社ブランドを保護しつつ、事業を成功させていくために、顧客満足マネジメントシステムを構築していくことは欠くことのできない要素といえます。

ISO 10002は、顧客満足マネジメントシステムの導入に関するガイドラインであり、企業や組織が顧客や消費者の苦情をどのように適切に処理していくかをサポートする目的で定められました。

またISO10002には顧客の苦情に的確に対応していくために必要な重要事項が規定され、事業に関する顧客の不満を解消するために役立つ顧客満足マネジメント手法が含まれています。


顧客満足マネジメントの国際規格、ISO 10002は誰のため?

ISO 10002は顧客満足の向上を目指す全ての組織を対象にしております。民間、公共、そしてボランティア団体にいたるまで組織の大きさや事業分野に制限はありません。

あらゆる組織や企業でお客様から寄せられる声に対し、「適切かつ迅速な対応をしていくために必要とされる基本事項」について規定しています。


ISO 10002 のメリット

  1. 顧客の維持
    顧客満足マネジメントシステムを採用することで、組織は、顧客のロイヤルティー(顧客満足度、忠誠心)を高めることができるようになります。顧客への真摯な姿勢を示し、起こりうる問題を迅速に解決していくことによって、組織に対する顧客の信頼は一層高まります。

  2. ブランド力の強化
    顧客満足マネジメントシステムを導入し認証を取得することによって、組織が、顧客重視の姿勢で顧客対応に取り組んでいることを示し、苦情の処理・分析・見直しを行える体制を整えていることを、ステークホルダー(利害関係者)に実証することができます。

  3. 業務効率の向上
    顧客満足マネジメントシステムの導入と認証の取得により、顧客からの問い合わせ対応に関して一貫したアプローチを取ることが可能になります。問い合わせ内容の傾向を特定していくことで、苦情の原因を取り除くことが可能となり、組織の業務効率が向上します。

  4. 社内コミュニケーションと組織の顧客満足に対する意識の向上を促進
    顧客満足マネジメントシステムの導入と認証の取得によって、クレーム対応や苦情の処理に際し、より顧客の立場を重視したアプローチを採用していくことで、従業員の顧客対応スキルの向上を促進していくことができます。

  5. 順応性
    国際規格ISO 10002は、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO 9001と構成、用語などで整合を保っています。ISO 10002の採用で更に組織の価値を高め、効率の向上を図ることが出来ます。

  6. 継続的な改善
    苦情対応プロセスが有効に機能する仕組みになるかどうかは、苦情対応プロセスおよび苦情処理および苦情対応が終了した後の見直し・改善の活動に係っています。ISO 10002では改良点の模索に向けて、継続的な見直しと分析のための基礎を提供します。
    継続的な改善の見直しは「Plan(計画)、Do(実施)、Check(測定)、Act(改善)」という手法でのPDCAサイクルと呼ばれ、品質マネジメントシステム(ISO 9001)やその他のISO規格に採用されている基本的な考え方です。